

スペインの統治時代に伝わった伝統的なマヨリカ焼き。
それまで先住民が作っていた土器から、窯で焼き上げる陶器の技法がもたらされました。
フィリピンのマニラからアカプルコの港まで様々な物が交易され、中国の青磁器や
イベリア半島におけるイスラム文化のタイルもメキシコに伝わるようになります。
アカプルコからベラクルスまで南北の港を結ぶ中継地だったプエブラで、
本格的に陶器の生産が始まり、それらはタラベラ焼きと呼ばれるように。
こちらはプエブラの隣の州トラスカラの老舗工房コロナ社で生産されたマグカップ。
プエブラと並びタラベラ陶器の一大生産地であるトラスカラ。
実はプエブラよりも先にタラベラ陶芸を作り始めた工房と職人が、サン・ペドロ・デル・モンテという
地区にあります。
流通の面からプエブラに移り住んだ職人が多いためたくさん工房ができるようになったとか。
しかし5軒ほどの生産工房がこの地で陶器作りを続けています。
こちらは大手のコロナ工房の古い蓋付壺。
貫入の具合や顔料で色付けされた、とても上質なもの。
現在の陶器のようにラッカー仕上げをしないためざらついた表面ですが、
逆に味わい深い色彩模様が現れています。
底面にも独特のサインと地名が記載され、プライドと伝統を感じさせるタラベラのキャセロールになります。
*蓋、底台にチップダメージ、焼ムラや塗装欠けがありますので画像でご確認ください。
サイズ/ 蓋含む 高さ24 直径 16(cm)