
オアハカ州の代表的な工芸品でもあるウールのラグ。
羊毛を紡ぎ、コチニールとよばれるサボテンにつく虫の赤や藍のインディゴ、
マリーゴールドの黄色などオーガニックな草木染めの糸を
大きな織り機で仕立てる伝統的なフォークアート。
現在はインテリアとして趣きを置いた、絵柄や細かい文様、多色使いのスタイルが多いですが、
80年代まではシンプルないくつかのデザイン模様だけでした。
こちらはその代表的な「カラコル」=かたつむりの連続模様。
サポテコ族が繁栄を気づいた、土地の遺跡に彫られたレリーフのデザインが元になっています。
輪廻転生を表現していると言われ、太陽紋と並びオアハカラグのスタンダードなデザイン。
黒と白の模様に青が載ったようなイメージの色彩。
モダンで古さを感じさせません。
"J"という署名の織りがあり調査しましたがおそらく
著名なラグ工房のイサク・バスケスさんのファーストネームの"Juan"の署名。
もしくは父親も”Jeronimo"という名の職人で、
80年代まで製作をしていたそうなので可能性としては
バスケス工房のもう少し時代の古いラグかもしれません。
こなれた柔らかさはありますが、どっしりと重量感のある素晴らしい時代のサポテックラグ。
名実ともに色褪せない名品だと思います。
☞イサク・バスケス
素材/羊毛
サイズ/160 x 97 フリンジ 10 (cm)