
50年代にオアハカのアラソラ村でマヌエル・ヒメネスさんが作り始めた木彫り人形。
観光客にたくさん売れるようになり瞬く間に木彫り職人は増え、他の村でも同様のものが製作されるようになりました。
ウッドカービングと英語で呼ばれていた人形は、怪物や想像上の生き物が
モチーフになっていき、派手な彩色からアレブリヘス(妖怪のようなもの)と呼ばれるようになります。
しかしそんな流行とは無縁で、観光客どころか現地のメキシコ人でも寄り付かない
ラ・ウニオン・テハラパン村のサンチアゴ一族は、古いウッドカービングの製法のまま作り続けてきました。
70年代に弟マルティンが始めた木彫りを、真似て作り始めたフランシスコさん。
作る作品は人や賢者、天使などが多く、その素朴な作品たちは海外のコレクターにも人気です。
動物よりも製作に時間と手間がかかっていますので、少し高価ですが
自分たちの生活風景を映し出したウッドカービングはどれも素晴らしく、
唯一無二の作品を作り出します。
また92歳という高齢で、製作から引退しましたので
残っている作品は少なく、これからとても貴重なものになるかもしれません。
こちらは、ゆでたとうもろこしに唐辛子の粉をまぶしたエローテを頬張るお父さんが
見つめる先は、息子が犬と戯れる姿。
家族とペット、家畜を愛するサンチアゴファミリーならではのフォークアートです。
サイズ/ 父 高さ18×5.5 少年9×4 台座19×6.5 (cm)