メキシコ中央高原地帯の大都市グアダラハラを州都にもつハリスコ州。
その隅っこにある小さな地域「サンタ・クルス・ウエスタス」で作られていた
玩具的な焼き物。
バロ・ベトゥスと呼ばれ、樹液を混合した顔料で着色されています。
こちらはニワトリをモチーフにした土笛。
脚が長すぎる不思議なフォルムとどこかとぼけた表情が魅力です。
80年代くらいまで生産されていたもので、現在の派手な意匠とは異なる
牧歌的な造形品。
ざらついた質感やもこっとしたテクスチュアは、郷土玩具として人気を博した
素朴なフォークアートになります。
素材/陶器
サイズ/ 高さ11 幅6 体長10 (cm)
【バロ・ベトゥス】
ハリスコ州の陶芸生産で有名な街トナラの西にあるバリオ(地域)、
サンタ・クルス・デ・ラス・ウエルタス。
なんの変哲もない下町ですが、ここにメキシコ民芸では
名の知られた3つの陶芸工房があります。
共通の陶芸技法はカラフルな彩色陶芸人形やオブジェ。
BETUSと呼ばれる松の樹の樹脂を顔料と混ぜ、釉薬として
色付けすると、モコモコとした質感になる不思議な陶芸品です。
60年代にこの町のカンデラリオ・メドラーノという職人の作品を
アレクサンダー・ジラルドを始め米国のデザイナーやコレクターが
こぞって収集するようになり、広く知られることになりました。
現在、国内外で最も有名なのがオルテガ工房。
現在はヘラルド・オルテガさんが代表的な七面鳥や生命の樹などを製作。
メキシコ各地の民芸品でも販売されています。
もう2つはメドラーノ家で、カンデラリオの息子セラピオさんと娘のマリアさんの工房と
甥っ子のフアン・ラモスさんの工房があり、奥さんのヨランダさんもバロ・ベトゥスの職人でした。
そもそもオルテガ家とメドラーノ家も遠縁の親戚だそうで
スタイルやモチーフを変化させながら、この小さな町の伝統を引き継いだ陶芸品を
作り続けています。