ベラクルス州ハラパ出身のアーティスト、ウリエル・マリンの版画作品シリーズです。
タイトルは「トラ」
(実際の作品を撮影した画像です)
"Encounters in Tlaloc's Paradise"「トラロック楽園との邂逅」と題された
最新コレクション。
Fedrigoni社のSirioと呼ばれる黒版画紙にシルクスクリーンプリントされています。
水辺の環境を舞台に超自然的な神々と人間を超えた存在との
幻想的な邂逅を描いた作品。
テーマは「トラロックの楽園」と広く解釈されています。
「トラロックはナワ族の宇宙観における雨の神であり、水の生命力と破壊力の両方と
結び付けられています。
ナワ族の神話ではトラロックは聖なる山に住み、
雷、稲妻、雨を操る力を持っています。
彼は様々な形で水の姿をとることができます。
先住民の伝統を融合的に解釈し維持してきた結果、
トラロックをはじめとする水の神々は、現代メキシコ文化においても重要な位置を
占め続けています。
私は水を、自然界における原始的な姿に加えて、多様な顕現形態をとることができる生命体だと考えています。
これらの姿の中には、擬人化されたものや超自然的な存在も含まれます。
このような表現は、世界中の先住民文化の思考に共鳴しています。
彼らは自然現象を綿密に観察することで、文学や口承に記録された神話や伝説という形で捉えられた魅力的な宇宙観に、広大な信仰体系を創造してきました。
既存の神話という広い枠組みの中で、私は古代メキシコ文化に起源を持つスペイン以前の神話に焦点を当てます。
支配する優位な種族ではなく、自然の一部であり自然に従う存在として
位置づける考え方に焦点を当てたいと思います。
関係性と和解というこの視点は、
西洋や近代科学の伝統とは異なる独自の知恵の形です。
本プロジェクトでは超自然と自然、人間と人間を超えた存在との関係が、
世代を超えて受け継がれてきた神話の中でどのように体現されているかを探ります」
サイズ/ 475×355(mm)
*段ボール筒に丸めての発送となります。
URIEL MARIN EXBIHITION
“ De todos noches las gatos son…”
「夜の猫たちはみんな」2025.7.28-8.11
ウリエル・マリン(1981年生まれ)は、
米国オクラホマ州とメキシコのオアハカ市を
拠点に活動している画家、版画家。
彼が版画を学んだ、オアハカは中南米におけるパブリックアートの
中心地であり、ストリートの壁の絵画は
メキシコの壁画家、グラフィティ・アーティスト、版画家たちに
刺激を与えてきました。
彼の作品は自然界の観察、ゴミ漁りの審美眼、神話に基づいた象徴主義という 3 つの相互に関連したテーマから構成されています。
また日本の浮世絵の伝統、メソアメリカ先住民の動植物、
現代の大衆文化などに影響を受けてきました。
作品の要素は自然界の観察からイメージを膨らませ、
抽象的なデザインから調和へと、
変化するダイナミズムを意識しています。
近年の作品には、流動的に変化する水が
しばしば主役として登場します。
現在はオクラホマ大学の芸術修士課程の講師であり、
オアハカ市のガジョ・ドラゴンスタジオのディレクターとして
活動の場を広げています。