
50年代にオアハカのアラソラ村でマヌエル・ヒメネスさんが作り始めた木彫り人形。
観光客にたくさん売れるようになり、
瞬く間に木彫り職人は増え、他の村でも同様のものが製作されるようになりました。
ウッドカービングと英語で呼ばれていた人形は、怪物や想像上の生き物が
モチーフになっていき、派手な彩色からアレブリヘス(妖怪のようなもの)と呼ばれるようになります。
しかしそんな流行とは無縁で、観光客どころか現地のメキシコ人でも寄り付かない
ラ・ウニオン・テハラパン村のサンチアゴ一族は、
古いウッドカービングの製法のまま木彫人形を作り続けてきました。
近年のブームによりサンチアゴファミリーの人形も国内で流通するように
なりましたが、こちらは恐らく初めて紹介するウェンセスラオ・サンチアゴさんの作品。
動物ではなく、天使や悪魔と人物像を得意としています。
それもそのはず、彼と兄のオクタビオさんは故フランシスコ・サンチアゴさんの息子たち。
様々な人物像を作り出した名職人でした。
ウェンセスラオさんは長らく米国に出稼ぎに行っていたため、あまり名が知られていませんが、
独特のモチーフでユニークな木彫り人形を作り続けています。
こちらは20cmサイズのガイコツ人形。
フランシスコ家の得意なモチーフです。
ハットと赤いジャケットを被った道化師のようですが、
マチェーテ(山刀)を持った謎の風貌。
粗い着色ですが、なぜかそれが魅力的に見えるから不思議です。
背中が反った造形も面白いですが、そのため自立させるのに工夫が入ります。
(平たい場所で土台を数秒押さえると安定します)
パッと見てウニオン村の木彫人形とわかるオリジナリティ。
珍しいウェンセスラオさんの作品になります。
サイズ/高さ 21 幅 7 奥行き 12 (cm)