こちらはメキシコグアナファト州にある工房「サンタ・ロサ」のビンテージ陶器。
70年代後半に花器として製作されていたグリップ付きの壺です。
イタリアやスペインから伝播したマジョリカ陶芸の伝統技法そのままに
錫釉薬でコーティングされた上品なジャグ。
現在も工房はドローレスからグアナファトに行く道中の
小さな地域サンタ・ロサ・デ・リマにありますが、作風がかなり変化しているようです。
お花を生けるのはもちろん、
程よいサイズ感の壺はインテリアとして置いておくだけでも素敵です。
【マヨリカ陶芸(マヨルカ、マジョルカとも呼ばれる)】
スペインの統治時代に伝わった伝統的なマヨリカ焼き。
それまで先住民が作っていた土器から、窯で焼き上げる陶器の技法がもたらされました。
フィリピンのマニラからアカプルコの港まで様々な物が交易され、中国の青磁器や
イベリア半島におけるイスラム文化のタイルもメキシコに伝わるようになります。
15世紀ごろに古都として発展した商業都市でもあったプエブラ州から、中央部に位置するグアナファト州と
ドローレス・イダルゴ州にその技法が伝わり、いくつかの工房が生産をはじめました。
プエブラでは独自の彩色技法に進化し、現在ではスペインの街の名を取ってタラベラ陶芸と呼ばれています。
また数は減ったものの、グアナファトとドローレスでもいくつかの工房が
マジョリカ技法で生産を続けています。
現在の欧州の陶芸にはない、儚げで憂いのある上品な絵付けやフォルムが、
メキシコ中部のいくつかの窯に残されています。
※口部分に欠けや補修跡、底面に汚れがあります。画像でご確認の上あらかじめご了承ください。
サイズ/高さ18 幅 17 底面直径 10 (cm)