世界中のフォークアートコレクターを魅了するオアハカ州の木彫り人形。
現在では技術や表現方法が進化し、メキシコを代表する民芸品になりました。
しかしひっそりと小さなウニオン村で作られる作品は、
1950年代のスタイルそのままの素朴な作風で、人気があります。
こちらは村で最初に木彫りを始めたマルティン・サンチアゴの作品。
頭とヒレがブルー、胴体はオレンジの魚。
ブルーで波模様が描かれた土台に挿す形で、魚が泳いでいるように見えます。
小さいサイズの中にマルティンさんの歴史が詰め込まれたような
バランスの良い木彫り人形です。
右目の視力が失われたため、マルティンさんは現在は木彫りの造型を担当し、
奥様がヤスリがけ、娘たちが塗装を担当しています。
*土台は取り外し可能です。
サイズ/ 高さ5.5 幅3 体長9 (cm)

マルティン・サンチアゴ(94歳)とひ孫娘の近影 2025年3月撮影
【オアハカン・ウッドカーヴィング(ウニオン村)】
50年代にオアハカのアラソラ村でマヌエル・ヒメネスさんが作り始めた
木彫り人形。
目の前にある大きなモンテアルバン遺跡が世界遺産に登録され、
観光客が増加。
遺跡近くまで売りに出向いたマヌエルの目論見は的中。
人気作家になり村にまで買いに来る観光客も増えました。
そして
瞬く間に職人は増え、他の村でも木彫人形が製作されるようになりました。
ウッドカービングと英語で呼ばれていた人形は、怪物や想像上の生き物が
モチーフになっていき、派手な彩色からアレブリヘス(妖怪のようなもの)と呼ばれるようになります。
しかしそんな流行とは無縁で、観光客どころか現地のメキシコ人でも寄り付かない
ラ・ウニオン・テハラパン村のサンチアゴ一族は、
古いウッドカービングの製法のまま作り続けてきました。
最近は20代、30代の若者も木彫りをするようになり、名もなき職人が増えています。