日本や米国では大人気。
しかし現地オアハカではあまり知られていない
ラ・ウニオン・テハラパム村のサンチアゴ一族の木彫人形。
1960年代後半にマルティン・サンチアゴが作り始め、
弟キリーノ、プラシードがそれに続き、亡くなられましたが
兄のベンチュラ、フランシスコも名職人でした。
その子供たち、孫たちも木彫り人形を作るため
一族の職人の数はとても多く、少しずつ変化はしていますが
伝統的に作られるスタイルの動物たちは、素朴で魅力あふれるウッドカーヴィングです。
こちらはキリーノさんやプラシードさんの甥にあたる、アンヘル・クルスさんの作。
アニリン染料で着色していることから、
古い木彫り人形の雰囲気を最も現代に甦らせ、
大きいサイズの木彫り人形を多く製作する村では貴重な職人です。
おそらく最も人気のモチーフである白いスタンダードな牛。
大きめが多いアンヘル作品ですがこちらはやや小さめの20cm。
木目や節が美しく浮き出た上品なウッドカーヴィング。
シンプルな佇まいは、染色家の柚木沙弥郎さんもアンヘル作の牛をコレクションに加え
愛でていたようです。
サイズ/ 高さ10.5 幅7 尻尾含む体長20 (cm)

2025年3月撮影 アンヘルとカルロッタ夫妻
【オアハカン・ウッドカーヴィング(ウニオン村)】
50年代にオアハカのアラソラ村でマヌエル・ヒメネスさんが作り始めた
木彫り人形。
目の前にある大きなモンテアルバン遺跡が世界遺産に登録され、
観光客が増加。
遺跡近くまで売りに出向いたマヌエルの目論見は的中。
人気作家になり村にまで買いに来る観光客も増えました。
そして
瞬く間に職人は増え、他の村でも木彫人形が製作されるようになりました。
ウッドカービングと英語で呼ばれていた人形は、怪物や想像上の生き物が
モチーフになっていき、派手な彩色からアレブリヘス(妖怪のようなもの)と呼ばれるようになります。
しかしそんな流行とは無縁で、観光客どころか現地のメキシコ人でも寄り付かない
ラ・ウニオン・テハラパン村のサンチアゴ一族は、
古いウッドカービングの製法のまま作り続けてきました。
最近は20代、30代の若者も木彫りをするようになり、名もなき職人が増えています。