こちらはメキシコグアナファト州ドローレスにある工房「マジョリカ・カサル」の陶器。
1リットル弱入りそうな大きなジョッキ。
見事に計算された貫入の質感と、淡い色彩で描かれた花の模様。
古い時代のヨーロッパの家庭にありそうな瀟洒な雰囲気はインテリアとしても
上品なアイテムでしょう。
大きさ高さともに十分あるのでフラワーベースとしても活躍してくれそうです。
【マヨリカ陶芸(マヨルカ、マジョルカとも呼ばれる】
スペインの統治時代に伝わった伝統的なマヨリカ焼き。
それまで先住民が作っていた土器から、窯で焼き上げる陶器の技法がもたらされました。
フィリピンのマニラからアカプルコの港まで様々な物が交易され、中国の青磁器や
イベリア半島におけるイスラム文化のタイルもメキシコに伝わるようになります。
15世紀ごろに古都として発展した商業都市でもあったプエブラ州から、中央部に位置するグアナファト州と
ドローレス・イダルゴ州にその技法が伝わり、いくつかの工房が生産をはじめました。
プエブラでは独自の彩色技法に進化し、現在ではスペインの街の名を取ってタラベラ陶芸と呼ばれています。
また数は減ったものの、グアナファトとドローレスでもいくつかの工房がマジョリカ技法で
生産を続けています。
現在の欧州の陶芸にはない、儚げで憂いのある上品な絵付けやフォルムが、
メキシコ中部のいくつかの窯に
残されています。
サイズ/高さ 19 グリップ 11 底面直径 10 (cm)