

メキシコ州トルーカの離れ町メテペックは、陶器生産が盛んな町。
現在でもたくさんの工房があり民芸品だけでなく、食器や植木鉢など日用品の焼き物も生産されています。
一躍、この小さな町の名を知らしめたのはモデスタ・フェルナンデスという女性の職人。
彼女が作っていた水玉の小さな魔除け人形を1920年頃、ディエゴ・リベラが絶賛し、
メキシコシティの民芸博物館で個展まで開催させたそうな。
息子や娘たちも焼き物作りを手伝い、それぞれ工房をもつようになります。
彼らはソテノファミリーと呼ばれ、ビビッドな色彩の生命の木や人魚を現在でも
作り続けています。
中でも技巧に走らず、昔ながらの着色で製作されていた職人アベル・ソテノ作の人魚。
美しいピンクの半身の親子です。
金色の模様付けやアクセントのセンスが抜群で、有名ではありませんが
アベルさんは実はメテペックを代表する陶芸職人であったことは間違いありません。
こちらの人魚も色数は少ないものの、独特のバランス感覚の色付けや
背が高めのフォルムなど素晴らしい、”La Tranchana"=伝説の人魚。
残念ながら昨年11月に天に召されたそうで、貴重な最後の仕事を
ご家族から譲っていただきました。
色彩豊かで上品な極上のメキシカンフォークアートです。
素材/陶器
サイズ/高さ28 幅16 奥行き 9 (cm)