50年代にオアハカのアラソラ村でマヌエル・ヒメネスさんが作り始めた木彫り人形。
観光客にたくさん売れるようになり瞬く間に木彫り職人は増え、他の村でも同様のものが製作されるようになりました。
ウッドカービングと英語で呼ばれていた人形は、怪物や想像上の生き物が
モチーフになっていき、派手な彩色からアレブリヘス(妖怪のようなもの)と呼ばれるようになります。
しかしそんな流行とは無縁で、観光客どころか現地のメキシコ人でも寄り付かない
ラ・ウニオン・テハラパン村のサンチアゴ一族は、古いウッドカービングの製法のまま作り続けてきました。
60年代にアメリカで出稼ぎ労働していたマルティンさんは、村に戻って農業の傍ら
木彫りの人形を作り始めます。
そう遠くないアラソラ村のマヌエル・ヒメネスの作風を真似て、動物や天使や聖人を作るようになりました。
またそれに影響されて兄弟やいとこ達も木彫りを始め、村に住むほとんどの男性が
木彫り人形を作り始めます。
取り残されたように、昔の作り方そのままに素朴なウッドカービングを作る
マルティンさんたち一族の
作品は、近年のフォークアートブームにより再評価されてるとも言えるでしょう。
農業を引退したマルティンさんは、86歳の今でも元気に製作を続けている巨匠です。
こちらは村にたくさんいる犬のモチーフ。一族みんな犬が大好きなのか、最も多く作られています。
やはりマルティンさんの作品は今にも動き出しそう。天を仰ぐダルメシアン。
ただ餌を待ってるだけかもしれませんが。
サイズ/ 高さ 7.6 幅 2.2奥行き(尻尾含む)8 (cm)