メキシコ中西部の太平洋に面したナジャリ州。
この小さな州には定住しているウィチョール族が多く、
山間部で暮らし、民芸品を作り街で販売しています。
それより険しい山々に暮らすコラ族という先住民族。
彼らは民族衣装などは着ていないものの、
メキシコ国内でも屈指のミステリアスな奇祭を春に行うことで
知られています。
キリスト教のイースター(復活祭)の時期、メキシコでは
セマナ・サンタ=聖週間と呼ばれますが、
この村の多くない若者を中心に、全身ペイントと奇抜すぎる
仮面を被り、砂利道を駆け抜ける儀式を行います。
Judea(フデア)と呼ばれ、自分の存在を失くしJudas=
裏切り者の化身となります。
彼らが居住する5つの村では、
木曜の教会のミサから始まり、キリストを探す名目で
Judas達は村を周り、時には踊り雄叫びをあげるそう。
利根山光人さんの著書に寄ると60年代はペヨーテを食べ
2日間走り回り、土曜に川でペイントを落とし
若者たちは自分の人格にもどると記されています。
そのタイミングで被っていた張子仮面を入手できるとも
書いてありますが、現在はわかりません。
こちらはその儀式で実際に使用された張子の仮面。
現代のものは蛍光色が多いので、少し前の時代,
90年代くらいのものかもしれません。
張子とはいえ、牙やツノは枝でできており、ファーの毛に
裏は被るため、顔に当てる布や皮が包まれています。
この奇祭は
実はカトリックの行事を借りた、タヤウと言う
コラ族の土着信仰の祭だそうで、このストレンジな造形の仮面は
一種の変身能力を表現しているのかもしれません。
博物館に所蔵されてもおかしくないほどの
貴重な資料ともなるコラの仮面。
大きいサイズでもはやインパクトしかありません!

(現代のJudasの出立ち。唯一儀式に参加できるツアー会社のFBページより)
素材/強化紙 木 綿布 フェイクファー
サイズ/寝かせた状態で ツノ含む高さ 45 幅29 奥行 30 (cm)