50年代にオアハカのアラソラ村でマヌエル・ヒメネスさんが作り始めた木彫り人形。
観光客にたくさん売れるようになり、
瞬く間に木彫り職人は増え、他の村でも同様のものが製作されるようになりました。
ウッドカービングと英語で呼ばれていた人形は、怪物や想像上の生き物が
モチーフになっていき、派手な彩色からアレブリヘス(妖怪のようなもの)と呼ばれるようになります。
しかしそんな流行とは無縁で、観光客どころか現地のメキシコ人でも寄り付かない
ラ・ウニオン・テハラパン村のサンチアゴ一族は、
古いウッドカービングの製法のまま作り続けてきました。
最近は20代、30代の若者も木彫りをするようになり、名もなき職人が増えています。
こちらはそんな署名がないサンチアゴファミリーの若手作家の作品。
この職人は木の曲がった部分やそのフォルムを生かした木彫りを多く作っています。
着色前にもあまり細かくは表面を磨かずにざらっとした木の質感を残しているのが特徴的。
しっぽまで合わせると17cm程度ある大きめのうしの木彫り。
メキシコの田舎では牛を農作業に使うところも多く、
牛をはじめ、ロバ、馬なども非常に身近な存在で、よく木彫りのモデルにもなっています。
この長い耳と、大きなツノ、垂れた喉元も、そんな牛の特徴をよく捉えた形。
ただし、紫色のボディとグリーンの目、というところはメキシコらしいポップさ。
本人はどんなことを考えながら製作しているのか、気になる作風です。
見栄えもする木彫りでインテリアにもおすすめです。
サイズ/高さ 13 幅 8.5 体長 17 (cm)